頭痛には、「一次性頭痛」と「二次性頭痛」があります。

「一次性頭痛」は、慢性的に起こる頭痛のことで、

片側(または両側)が波打つようにズキズキと痛む「偏頭痛」、

後頭部、こめかみ、額を中心に締め付けられるような圧迫感があり、頭重感のある「緊張性頭痛」、

目の奥にガーンという衝撃が、ある期間毎日起こる「群発頭痛」「三叉神経・自律神経性頭痛」があります。

「偏頭痛」の原因は、ストレス、疲れ、寝不足、寝過ぎ、月経、空腹、天気の変化、人混みや騒音、アルコール

「緊張性頭痛」の原因は、ストレス、顎関節症、眼精疲労、長時間同じ姿勢でいること、運動不足

「群発頭痛」「三叉神経・自律神経性頭痛」の原因は、飲酒、喫煙、血管拡張剤の服用、気圧の変化

又、更年期でも頭痛を多く訴える人がいます。

「二次性頭痛」は、蜘蛛膜下出血、脳腫瘍、慢性硬膜下出血、高血圧性脳症、副鼻腔炎、うつ病など見逃すと危険な病気が原因となっているものです。以下の症状がある時は注意が必要です。

突然痛みが出てどんどん酷くなる、今まで感じたことのない痛み、めまいや吐き気や嘔吐を伴う、熱や発疹、手足の動きにくさなどが頭痛と伴にあらわれた場合は、なるべく早く受診しましょう。

 

さて、アーユルヴェーダでは頭部をどのようにみて、頭部の病に対処するのでしょうか。

頭部はプラーナ(気息)が存在する場所で、すべてのインドリヤ(感覚器官)が存在する、身体諸器官の中で最も優れた部分

【対処法】

アーユルヴェーダでは、原因となる行動を止め、反対の性質の行動や食事を取り入れることで対処します。

【頭部の病の原因】

生理的欲求を抑えること昼寝・夜更かし酩酊(飲酒などによる)・大声で話す・露に濡れる・向かい風にさらされる・過度の性行為・悪臭を嗅ぐこと・埃・煙・雪・日射にさらされる・消化に時間のかかるのもの・酸味のもの・根菜類(大根・れんこん・生姜)を過度に食べる・冷水を飲む・頭部に打撃を受ける・未消化物の悪化・号泣・涙を抑えること・雨雲が接近してくる・心配すること・場所と季節に反する生活

これらの理由から、頭部の血液を汚され、口・鼻・目・耳の病気、めまい、顔面麻痺、頭部の震え、喉・頚部・顎の硬直などの頭部の病が発生すると言われています。

・排尿や排便を我慢すること、寝過ぎや寝なさ過ぎは、頭痛に限らず万病の元だと言われていますので、まずは生活環境と睡眠リズムを整えましょう。

【症状別・対処法】

・耳鳴り、こめかみ・後頭部・眼の痛み、めまい、硬直、ふるえ、温めると良くなる場合

(控えた方が良いこと)

苦味・渋味の強い飲食(コーヒー、お茶)・乾燥したもの(インスタント食品、ドライフルーツ)・冷たい飲食(生野菜、アイス)

(勧められること)

温かく油分を含むスープやおかゆ、ホットミルク、ギー、ムング豆を食べる、リラックスできる時間を持つ

(トリートメント)

ごま油のマッサージと発汗(入浴、スチームサウナ)、ナスヤ、シローダーラ(温かいミルク)、ナツメグ粉末のペーストを額に塗る

 

・両目の灼熱感、口や喉が乾く、冷たさを好む、汗が出る、めまい、燃える感じ、痛みの場合

(控えた方が良いこと)

直射日光・火を避け、お酒などの発酵食品・激辛食品・塩味の濃い飲食を控える、競争心や怒り

(勧められること)

ギー、牛乳、ココナッツウォーター、コリアンダー水を飲む、レーズン、アロエ、マンゴー、ザクロ、熟した甘い果物を取る

(トリートメント)

シローダーラ(タクラ、アーマラキー、甘草、白檀、睡蓮の煎じ液)、ナスヤ(クシーラ、ギー、サフラン、インドサルサ)、お月見、ギーや牛乳と共に白檀など冷静の作用を持つハーブパウダーを練って額に塗る

 

・頭の鈍痛、鈍重感、倦怠感、無気力、味覚不良、無感覚、厚い濡れたものに巻かれた感覚

(控えた方が良いこと)

消化に時間のかかる・油分を多く含む飲食(ステーキ、ヨーグルト、ピザ、ナッツなど)、昼寝や寝すぎること

(勧められること)

ご飯に大麦や押し麦を混ぜて炊く、胡椒・黒胡椒・乾燥ショウガ、ムング豆を食べる

(トリートメント)

発汗法(スチームサウナ、熱めの風呂)、薬用喫煙、寒風摩擦