アーユルヴェーダでは「鼻は頭への門」と言われています。それは、臭覚の健康増進が頭部全体の健康維持につながるということです。

古典書には鼻の健康法(ナスヤ)を続けることにより、花粉症、アレルギー性鼻炎が改善されるだけではなく、顔の血管、筋肉、神経の働きが良くなり、顎、歯、頸、腰、上腕、胸に力をつけ、眼、耳、そして髪の健康も増進すると説明されています。

嬉しいことに、しわ、シミ、ソバカスにも効果があるというではありませんか!

本来は25種類の薬草入りのアヌタイラと呼ばれる鼻専用薬用オイルを使用しますが、手に入らない場合は「白ごま油」でも十分に効果があります。

キュアリング(熱処理した)白ごま油を湯せんにかけて人肌に温めます。

事前にヘッド&フェイスマッサージをしておくと効果大です。

仰向けに寝て、やや首をそらせ、各鼻2滴づつごま油を入れます。

片方の鼻孔を指で軽く抑え、反対側からゆったりを息を吸い入れ、オイルを染み渡らせます。

反対側も行い、2分くらい仰向けで寝たままでいると、オイルが喉に垂れてきます。

垂れてきたオイル、唾液、痰は決して飲み込まずに吐き出し、ぬるま湯でうがいをし口内をさっぱりさせます。

その後も鼻水が出たらかむようにしましょう。

起床後のだるさ、食後の眠気、運動などによる疲労を取りたい時にもナスヤを行うと、倦怠を取り除き精神に集中力を与えます。

 

ちょっと視点を変えて見ると、私たちは「臭い」という対象物の為の「嗅覚」を持っていて、それは鼻に位置しますが、鼻はその為だけではなく呼吸の為のものでもあります。

ヴェーダの文化において、匂いという感覚の統括神は双子の医師の神々アシュヴィンだそうです。

統括神とはつまり「法則」のことです。臭覚の働く法則を具体的に思い描くことは難しいので、アシュヴィン双神に対して今日も嗅覚が正常に働いていることに感謝を表したり、鼻に問題がある時に祈りを捧げるのだそうです。