日々のシークエンスを行っている時に身体の感覚に意識を向けることは、身体が求めていることや心が求めていることを感じ取るのに大切な洞察力を養います。

そんな洞察力を養うのにヨガは向いています。ヨガが単なる身体的な運動ではないというのはこの点においてです。

呼吸を使って動きや感覚に注意を向けることにより、痛みの元を感じるだけではなく、それがどのように感情と関連しているかを知るようになります。

また、身体意識が高まるにつれ、自分のどんな癖や動き、態度や執着が痛みをもたらし、あるいは逆に痛みを取り除いていくのかを理解できるようになります。

これは、当然ながらヨガのクラスだけではなく、日々の生活においても起こり得ることですが、私達は毎日こなさなければならないリストに追われているので、自分の身体感覚や心身相関に目を向ける暇がなかなか持てません。

ヨガクラスの時間は、日々の行動を振り返り、健全さを養う為の練習、実験、微調整の場だと考えています。

それぞれのポーズに集中しながらポーズを自分なりに修正することを学ぶにつれ、自分にとって心地よいものとそうでないものを知ります。

最も身近な道具である自分の身体や考えについての知識を、生活の中や、態度や振る舞いに適応していけるようになれば良いと思います。


参考図書 ウーマンズヨガブック