「肥満」とは体重が重いだけではなく、脂肪組織に脂肪が過剰に蓄積した状態を言い、「内臓脂肪型肥満」と「皮下脂肪型肥満」に分けられます。

「内臓脂肪型肥満」はリンゴ型肥満と呼ばれ、お腹周りが太い体型のことで、筋肉の内側の腹腔内に脂肪が多く蓄積する為、糖尿病、高血圧、脂質代謝異常などを発症する確率が高くなります。メタボリックシンドロームは、これら3つの病のうち2つ以上を併発していることです。

一方、「皮下脂肪型肥満」は洋ナシ型肥満と呼ばれ、腰周りや下半身を中心に皮下脂肪が多く溜まっているものの、内臓脂肪は少ない為、メタボはあまり見られません。

肥満の原因は、家族の食習慣や運動習慣など生活環境が原因と考えられます。食事のリズムを見直し、運動を継続的に行うことで改善します。

アーユルヴェーダでは、肥り過ぎの人の特徴と原因をどのように捉え、どのように対処するのでしょうか。

【肥り過ぎの人】

短命・動作が遅い・性行為困難・体力がない・異体臭・発汗過多・過度の空腹感・過度の口渇という8つの欠点がある。

少し動いても息切れを感じ、活気が減少し、腹だけが大きくなる。

脂肪が過剰に増えると、ヴァータなど3ドーシャが急速に恐ろしい病気を生じ、寿命を早く尽きさせる。

【原因】

食べ過ぎ、重性(牛肉、豚肉、もち米、新米、新酒、小麦製品、大豆製品、卵など)・甘味(ケーキ、糖蜜類、バナナなど)・冷性(牛乳など)・油性(乳製品、豚骨スープ、揚げ物、鶏肉など)のものを常食すること、運動不足、性行為をしないこと、昼寝、常に喜んで憂いのないこと、頭脳労働をしないこと、生まれつきの性質

【対処法】

(勧められる食事)

消化に時間がかかるがカロリーが少ない繊維質もの(ナス、インゲン豆など)、菜食中心、お白湯、生姜、大麦や押麦を米に混ぜて炊く、古米、ムング豆、レンズ豆、さやのある豆、バターミルク、そば、とうもろこし、きび、古い酒、果実は皮ごと食べる

(肥満に効果のあるハーブ)

トリファラー(アーマラキー、ハリタキー、ヒビタキー)、トリカトゥ(黒胡椒、長胡椒、乾燥生姜)、ハチミツ(水に混ぜて一日3回服用)、シナモン、クミン、ナツメグ、リコリス、アロエ、グドゥーチ、グッグル、シラージャトゥ

(勧められる行為)

夜更かし、性行為、運動、思い煩い、頭脳労働を徐々に増やす、ガルシャナ (ドライマッサージ、寒風摩擦)、瞑想、呼吸法、ヨーガのポーズをする、食後の散歩、夕食は就寝の3時間前までに済ませる

(控えるべき行為)

不規則な生活、昼寝、寝過ぎ、快適な寝床、安楽な生活、食後すぐに寝ること