糖尿病は一度発症すると治癒することはなく、放置すると網膜症・腎症・神経障害などの合併症を引き起こし、末期には失明したり透析治療が必要となることがあります。さらに糖尿病は脳卒中、虚血性心疾患などの心血管疾患の発症・進展を促進することも知られています。

糖尿病は、インスリンの作用不足により、糖、脂質、蛋白質を含むほとんど全ての代謝系に異常をきたします。糖尿病患者の代謝異常が軽度であれば、ほとんど症状を表さず、患者自身も糖尿病の存在を自覚しない為、長時間放置される事があります。

発症要因は、加齢、家族歴、肥満、運動不足、血糖値上昇です。他にも、高血圧、高脂血症も独立した危険因子であるとされます。加齢と家族歴は変えることはできませんが、肥満の回避、食事内容、運動によって予防が見込めます。

 

アーユルヴェーダでは、糖尿病についてどのように説明しているのでしょうか

【原因】

消化に時間のかかるもの(牛丼、豚骨ラーメン、魚、ナッツ類、ヨーグルト、甘味など)・油っぽいもの(フライドチキン、ピザなど)・酸味のもの(お酢、発酵食品)・塩味のきついものを多量に摂取する人々・新米や新酒を飲食する人々、昼寝の習慣や寝過ぎの人々、安楽に生活する人々、運動しない人々、思い煩わない人々、浄化法を行わない人々は糖尿病になる

【前駆症状】

発汗過多、異体臭、身体のあちこちが弛んでくる、じっと座ること・横になること・寝る事が好きになる、胸部・眼・舌・耳に老廃物がたまる、身体が肥える、倦怠感、毛髪がべっとりと固まる、爪が早く伸びる、冷たいものが好きになる、のどが渇く、口が甘く感じられる、手足の灼熱感と痺れ、尿に蟻が集まる

【治療】

症状を見極めて、患者さんの体格や体力に見合った、身体を肥らせる療法か痩せさせて軽くする療法(浄化療法など)を行います。浄化療法の後には滋養療法と鎮静法で回復を促すための後処置をします。

原因となる行動を止めることはもちろんですが、水中ウォーキング、ヨーガ、食後の散歩などの運動療法、寒風摩擦のような強擦法、シナモンやコリアンダーなどのハーブの粉を用いたドライマッサージで、身体に乾性を起こさせ循環を良くする療法、やや硬い寝床が勧められます。

過剰な発汗、喫煙、排尿を我慢すること、瀉血法は避けるように言われています。

【食事療法】

大麦粥、古米、ムング豆スープ、ゴーヤなどの苦い野菜など軽性で乾性の食物や、キジ、ライチョウなど乾燥地に住み乾性の餌を食べる鳥の肉のスープを使用します。

【ハーブ】

グドゥーチー、ギムネマ、ハチミツ、アーマラキー、ニーム、インドサルサ、シナモンリーフ、甘草、フェヌグリーク、トリファラ、シラージトゥ、チャンドラプラバー・ヴァティ