アーユルヴェーダでは「食事・睡眠・性生活」が生命を支える補助的な柱と言われています。

生命を支える主たる柱は「ヴァータ・ピッタ・カパ(風・火・水)」の3要素です。

時間、生物、植物など万物がこれら3要素を基盤として成り立ち、3要素が増減することで自然界も移り変わると見ます。ですから、自然そのものである人間にもその3要素を見出します。

人間なら受精の瞬間の母親と父親の状態によって3要素の配合バランスが決定され、一生変わりません。

その配合バランスのことを指して体質と呼びます。3要素が行動パターン、性格、見た目、症状などを通して現れた時の特徴を基準にして体質を診断します。

3要素のバランスが取れている状態を「健康」、バランスが崩れている状態を「病気」として、3要素の働きを尺度に健康状態を診断し、3要素のバランスを取ることで病気の治療をします。

3要素のことをサンスクリット語では「トリ・ドーシャ」と呼びます。「トリ」は3という意味で、「ドーシャ」はバランスが取れている時はチャームポイントと言えますが、偏りやすさでもあるので「欠点」、病気の元にもなり得るので「病素」という意味を持つ言葉です。

生命は宇宙の原理である3要素(トリ・ドーシャ)を超えることはできませんが、生命を支える補助的な柱である「食事・睡眠・性生活」が正しく行われれば、生命は輝きと潤いを増し、個性を発揮しながら健康に生きることができます。

それでは、食事や睡眠と同じように大切な「性生活」についてアーユルヴェーダではどのように説明しているのでしょうか。

・性行為の時間

3要素のうちカパ(水)の時間帯が勧められます→18時〜22時。真夜中、夜明け、昼、日没、日の出の時は勧められません。

・場所

落ち着いた静かな部屋、よく敷き延べられたベッド、良い香りの部屋、花で飾られている部屋が勧められる。禁じられている場所は、野外、寺院、師匠・高齢者・バラモンの家、墓地、木の下

・頻度

秋、春は4日に1回、夏、雨季は15日に1回、冬時期は好み通りに。

・禁忌

16歳未満、70歳以上、食べすぎた人、空腹の人、喉が渇いている人、病で悩んでいる人、痛みを感じている人、衰弱している人、感情的に落ち着いていない人、すでに病気の人が無理して行うと脾臓の肥大、失神、死という結果になるおそれがあるので注意しましょう。