アーユルヴェーダの古典にはサッドブリッタ(正善行為)と言って「するべきこと」「してはいけないこと」が記されています。

それによって人の健康を守り、人生の目的を叶えやすくなるように導いてくれているのです。

親は子供に「外から帰ったら手を洗いなさい、食事の前にいただきますを言いなさい」と教えますね、子供は始めのうちはその価値が理解できないので形だけ行いますが、成長とともにその意味や価値を理解するようになります。

古典は、まるで母親が子供に教えるように「するべきこと」「してはいけないこと」を具体的に教えてくれます。

本質に関わる知識を学ぶことなしに形だけを取り入れるのではなく、形と本質の理解の両方が大切なのですが、始めから本質を理解するのは難しいので、まずは形から学んでいきます。

「なんでこんなことやる必要があるんだろう」と思っても、始めは真似やフリから始めていきます。次第にそれが習慣となり、本質を学んだ時にその意味と行動が一致します。

個人の好き嫌いに従って行動(選択)し続けると、大抵はダルマ(秩序)から外れ、しっぺ返しを頂きますから、そうならないようにヴェーダは「するべきこと」「せざるべきこと」を始めから人に教えてくれているのです。

【するべきことの一例】

・両手足と排泄口を清潔に保つ

・神々、先生、高齢者など尊敬に値する人を尊敬する

・知人に出会った時には先に挨拶をして話しかける

・良い結果をもたらす原因を追求してその結果を求めず

・客人をもてなし、先祖の供養をし、貧しい人を助け、平等であり、欲と憎しみの原因を除去する

・一切の生き物に対する縁者となる、疲れる前に運動をやめる、良い身なりをする

【してはいけないことの一例】

・嘘をついてはいけない

・他人のものを奪ってはいけない

・他人の妻や他人の財産を欲しがってはいけない

・正義・道徳に従わない人と同席してはいけない

・大勢の人々が同意していることを無視してはいけない

・自慢をしてはいけない

「わざわざ教えられなくても、そんなこと知ってるよ」と思うかもしれませんが、どうして嘘をついてはいけないのか、どうして体を清潔に保たなければならないか、そのことをきちんと説明できる人は意外と少ないかもしれません。

最後にチャラカサンヒター8章の内容から一部を抜粋させて頂きました。

・繰り返しものの本質を考慮せよ

・原因の影響力を確信せよ

・常に(良い結果をもたらす)因に着手せよ

・感覚器官に頼りすぎてはいけない

・うまくやったと思って安心するな

・なすべき時機を失ってはいけない

・中傷を気にするな

 

ひゃ〜。かっこいいなぁ⭐︎