自分の身体を小宇宙にたとえてみましょう。

月が満ちては欠けるように、潮が満ちては干くように、

私たちの身体も、排卵から月経へ、あるいは、明るい気分から暗い気分へ、

そして創造から内省へと、あるサイクルに基づき動いているのです。

そのサイクルの中間がおよそ排卵の頃なのですが、それは社交的なエネルギーに満ちている時期です。

しかし、月経が始まる直前になると、イライラしたり引きこもりたくなる気持ちをどうしても抑えきれず、

パートナーに強く当たってしまったり、人との関わりを避けようとまでするかもしれません。

<生理学>

ほとんどの人は月経は子宮で始まると思っていますが、実はそうではなく、月経は目の奥深くに隠れている「松果体」から始まるのです。

この小さな涙型の分泌腺は、光の明暗に反応し睡眠を助けるメラトニンというホルモンを作り出します。

「松果体」は、日々浴びている自然光と人口光の量を記録してそれに反応するだけでなく、季節的な変化にも反応し、月経を始めるように視床下部に指令を出すということです。

視床下部は内分泌系の非常に繊細な部分で、脳の感情中枢近辺に存在しており、感情の変動や身体的病気から影響を受けます。

参考図書 ウーマンズヨガブック


月経前に満月を見るとスムーズに月経が迎えられると話していた友達がいましたが、あながち嘘ではないようですね。

学生時代には「月経中の友達に触ると月経が移る」と言って移し合いっこをしていたこともありました。

自分と周囲の女性達に境目なく、月経という形で現れた自然の秩序が働いていることを、当たり前に受け入れていたのでしょう。

普段、私達は自分と自然とを切り離しています。

「全体宇宙の中で生かされている」という事実を忘れ、呼吸していること、食事していること、思考することもなどの全ての生命活動は、あたかも全体から独立した個人のお手柄でなされているかのように錯覚しています。

自然の力が私たちの身体や考えに余すところなく働いています。

月経の周期を尊重することは、自然の周期を尊重することです。

自然の秩序からはみ出して生きることなど誰にもできないのですから。

月経は、自然のサイクルと個人の私がシンクロしているという実感が持てる素晴らしい時間なのですね。