自然界ではシーソーのように一方へ偏ったら反対へ戻ろうとする力が働いて、バランスをとりながら全体が維持されているようです。

山ができれば谷ができるように、行き過ぎた分の反動は必ずどこかに現れますね。

例えば、歯を悪くすると胃腸や脳にまで影響が及ぶことがあるように、一見すると関係ないように見える臓器にも影響が及びます。

シーソーみたいに単純であればあるほど、直結した結果が出てすぐに破綻しやすいけれど、この世界は多種多様な質の違いが複雑に絡み合っているので、ちょっとやそっとでは破綻しないように柔軟にできているそうです。

多種多様な質の違いという豊かさがあるから、全体のバランスが保たれているというのです。

色んな季節に色んな植物が色んな顔を見せ、色んな動物が色んな気候や土地に住んでいるって、とても美しいですよね。

多種多様性って美しい。

人間の営みも色々あるから美しいのに、色々な文化や宗教、政治、経済を一色端に単純化するというのは豊かさが失われていくことになりますね。

ヴェーダの文化でも、この世界を捉えるとき、破壊と創造が繰り返されることで全体の秩序が維持されている、と表現します。

例えば、社会の組織に同じ人がずっと居座るととても不健康だし、身体の細胞も古いものがどんどん破壊されないと再生しません。

経済システムを見ても、一部でお金を溜め込めば必ずどこかに歪みが出ています。

極端な話、人が死ななかったらヤバイですね。ウォーキングデットの世界ですね。怖すぎる。

破壊の力は偉大です!

しかし、年とともに守りに入りたくなるのは人の常なのでしょうか…

何かを手放すことは自分の安全が脅かされるように見えますから、必死にしがみつきたくなるものです。

でも、やっぱりそれって美しくないから…

美しいものって、きっと真実ですよね。

何を見て美しいと思うか、思わないか、そのことは誰に教えられなくても知っていることなのかもしれないですね。

どうか、自分が何を美しいと感じたかをいつも忘れませんように。