男女ともに40歳を過ぎた頃から見られる様々な体調面や精神面の不調症状をまとめて更年期障害と呼びます。
「生殖や生理という女性特有の生理機能がなくなること」に対する否定的な感情が更年期の症状をさらに重くしていることもあるそうです。
アーユルヴェーダの古典には、更年期障害という病名はありませんが、その人に現れた症状を見て、それにふさわしい対応を教えています。
例えば、不安神経症、うつ、不眠症、性器の乾燥などの症状が見られた時は、「ヴァータ」といって「風」に象徴されるエネルギーが乱れているサインと判断し、ヴァータを整える生活法や食事の指導をします。
<ヴァータを整える食事・生活法>
・エアコンが効き過ぎていて寒い環境を避ける
・うるさい環境を避ける
・長距離移動を控えめにする
・規則正しい睡眠と食事の時間を守る
・白ゴマ油を使った性器の湿布
・ヨーガのポーズ、呼吸法、瞑想
・乾燥している食事(パン、豆、お煎餅、インスタント食品など)を控えるか、油分を含む温かいスープを一緒に飲む
・苦味(コーヒーなど)・渋味・辛味を控えめにして、甘味(米など)・塩味・酸味を含む食事をとる
・アロエ(女性性器を蘇らせる植物と言われている)をとる
更年期の症状として、イライラ、怒りっぽい、のぼせが見られる場合は、「ピッタ」といって「火」に象徴されるエネルギーが乱れているサインと判断し、ピッタをなだめる生活法や食事の指導がされます。
<ピッタを整える食事・生活法>
・競争しない
・正確さを求め過ぎない
・直射日光に当たらない(帽子、サングラス、日傘)
・月や星を見たり、子供や動物と触れ合ってクールダウン
更年期症状として、気分や体が重たい感じ、眠い、やる気が出ない、むくみ、体重増加が見られた場合は、「カパ」といって「水」に象徴されるエネルギーが乱れているサインと判断し、カパを整える生活法や食事を処方します。
<カパを整える食事・生活法>
・適切な運動(体力の半分程度で止める)
・生きがいや趣味、楽しい学習を見つける
・アロエ、黒コショウ、長コショウ、乾燥ショウガを取り入れる
そして、更年期障害にかかわらず様々な病や不調に処方されるのが、「生理的欲求を抑えないこと」です。
排尿や排便を我慢することは生理機能を乱し、様々な不調の原因となり得ます。どうぞ気をつけてみて下さい。
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