対話は4つのタイプに分けることができます。
有益な対話とそうでないものと整理しておくと
無益な対話をして人生の時間を無駄にする事なく、有益な対話によって考えの成長につながります。
誰もが考えを通して世界と関わりますので、考えの成長が有益な人生につながります。
【ヴァーダ】
なんらかの主題についての事実を見つけることに関心のある二人以上の人による対話や話し合いです。
事実を明らかにするための意見交換なので、上下関係などはなく、それぞれが同じ立場です。みんな主題について理解することに関心があります。生徒同士が集まってする勉強などもこれで、とても自然で健全であり研究活動の大切な要素です。生徒はこの話し合いによって知識の1/4を得ると言われています。
(一人で黙々と勉強するよりも、他の人の見え方を通して自分の見えていなかった部分に光が当てられるので、より多角的な視点からの理解が生まれます。また、自分の考えを言葉にすることで考えがより整理され定着します。同じ目的を持つもの同士の対話はとても有益です。)
【サムヴァーダ】
先生と生徒との間での対話です。一方が知りたいトピックに関して、もう一方がそのトピックの知識を知り遂げているので、私はあなたの生徒であると認め、先生として受け入れます。生徒は先生を尊敬しています。
この関係では、教えられている内容について生徒が矛盾を感じた時、先生が間違っているのではなく、生徒の理解が及んでいないから矛盾が生じているのだという姿勢を生徒がとります。このように、生徒が自分の考えに固執する事なくオープンにしておくことで、それまでの主観的で狭い見え方から客観的でより豊かな見方が出来るようになります。
(良き先生との出会いは人生の宝ですね。とても有益です。)
【ジャルパ】
お互いに、すでに違った信念を持っている人同士の対話で、お互いに相手が間違っていると信じているので、自分の信念を曲げるつもりはなく、不健全で無意味で価値のない話し合いです。
相手を負かすことが目的になっていて、お互いに「私だけが正しい」と思っているので、一方の信念に相手を引き込もうとします。自分の信念は正しいかもしれないし、間違っているかもしれない、相手の信念も同様で、両方が正しいかもしれない、両方が間違っているかもしれない、という姿勢のない狂信的な人同士の対話です。
(他宗教同士の争いや、国会で政治家が討論している場面を思い出します。お互いの領域を侵さずに分際をわきまえることで無益な争いが避けられるのでしょうか…)
【ヴィタンダー】
相手に嫉妬心やそういった類の感情を抱いている為、いつもいつも相手に同意しない発言をして、相手の発言の間違いを証明しようとします。話の真偽よりも、特定の相手に対する感情が先にあり攻撃的で批判的な姿勢です。これも無益な話し合いです。
(夫婦喧嘩やライバル同士の対話かな…ものすご〜く徒労に終わりそう。対話の目的を見失って足の引っ張り合いになっていないか、それに気がついたらすぐにやめて安全な距離を取りたいですね。)
参考図書 バガヴァッドギーター ホームスタディ第1章 by Puja Swami dayananda
翻訳 スワミチェータナーナンダサラスヴァティ
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