アーユルヴェーダでは、人は生まれてから死ぬまでの呼吸の数が決まっていると言われています。

ですから、早く浅い呼吸をするよりも、深くゆっくり呼吸をした方が、長生き?!につながりそうですね。

呼吸は、自律神経に支配されているので、緊張したり不安を感じると、浅く速い呼吸になりますが、逆にリラックスしていて安心している時は、ゆったりと深い呼吸になります。

それは私たちが意識していてもしていなくても、自動的に起こる反応(自律神経)です。

 

(例えば、森の中を歩いている時、ライオンが目の前に飛び出してきました。身の安全を守るための対処をとっさに考えるため、酸素をたくさん脳に運び込もうと自動的に反応が起こります。心拍が上がり、血圧も上がり、呼吸は浅く早くなり、瞳孔は開き、内臓の働きは弱まり、汗が出ます…それらの反応は自律神経に支配されているので、人が自力でコントロールをすることはできませんが、呼吸だけは自律神経に支配されていながらも、長く吸ったり息を貯めたりとコントロールすることができます。)

 

浅く速い呼吸が続けば、血液中の酸素量が減少し、疲労感が抜けず、免疫力も下がります。

常に緊張が続いていると、内臓の働きも低下し、気分が不安定で、イライラしやすく、エネルギー代謝の効率が悪い状態になります。

考えが整って落ち着いていれば、わざわざ深い呼吸やヨーガの体操をする必要もありませんが、多くの人は、不安、緊張、恐れ、焦り、苛立ちが根底にあるものです。

 

腹式呼吸は、心身のバランスがとりやすく、考えの整理整頓をするのにも最適です。

そしてとても簡単です。

 

腹式呼吸をすると、横隔膜が下がって内臓が押され、お腹が膨らみます。

腹筋やインナーマッスル、内臓のマッサージになりますので、

内臓が元の位置に戻され、筋肉がほぐれ、姿勢の改善にもつながります。

リンパの流れも促進され、老廃物が流されます。

血液が浄化されると、肩こりや筋肉疲労の改善につながります。

副交感神経が優位になるので、血流が増し、手足が温まるので、冷え性も改善されます。

内臓の働きが活性化して、便秘の改善、消化吸収の促進にもつながります。

 

鼻から吸って、鼻から吐き、吸う息と吐く息の長さを均等にしながら行ってみると良いです。

慣れるまでは、仰向けになって寝て、お腹に手を乗せ、吸う息でお腹が膨らみ、吐く息でお腹が下がるのを確認すると分かりやすいです。

 

頑張りすぎずに、急がずに、優しく、柔らかい呼吸を味わいながら、そのまま寝てしまっても良いですね。