数年前に日本マタニティヨーガ協会の講習で聞いた、産科医の先生のお話を最近よく思い出します。

病気がなかなか治らない人には以下の4つの特徴があるとおっしゃていました。

① 誰かに言えない事がある

隠し事を抱えたまま、病気の治療をしても治りにくいそうです。

隠し事って本当に体に悪いですね。人には隠せても自分には嘘をつけませんから。

人は口では言えない事があると病気になって現すことがあるので、例えば、感情を上手く表現できない子供が熱を出したり、仕事を休みたくても休めない会社員が胃潰瘍なんかになったりします。

病気や不調はバランスが崩れていることを知らせるシグナルなので、その都度バランスが崩れた原因をよく分析し、そこで根本的な価値観の軌道修正をする事ができれば、生活スタイルも自然と整うのでしょう。

② 許せない人がいる

家族の中に許せない人がいると最悪!(笑
と、おっしゃっていました。

こうして欲しかった、してもらえなかった、されてしまった、して欲しくなかった…そんな子供時代に抱いた未解決の感情やコンプレックスは、その人の独特な物事の受け取り方を形成し大人になってもその人を支配します。

その人を悩ませる怒りや悲しみの原因は、あたかも周りの人の態度や状況にあるかのように見えるけれど、実は外側の出来事というのはきっかけにすぎず、様々な感情は自分の内側から溢れてくるものだということを理解することは、ストレスから自由になる鍵だと私は思います。

ここでのストレスは精神的なものです。

上司から言われた一言「早く帰っていいよ」ある人はラッキー!と喜び、ある人は馬鹿にされた!と怒り、ある人は何とも思わない。それぞれが過去の経験からくる独特の見方を通して世界を見ています。過剰な反応、感情は何かをきっかけに受取手側から溢れています。

夜の暗がり庭にある石の影を見て、旦那の帰りを待つ妻はあの影は旦那だ!と思い、警察は泥棒だ!と思い、泥棒は警察だ!と思うでしょう。

誰もが外側の出来事に対して自分の過去の記憶(考え)を重ねて見ています。

そんな独特の癖のある考えを分析して自覚してなだめることが出来れば、自分にとって自分が良きセラピストであり良き親のようになることでしょう。

私の恩師の恩師がおっしゃいました「過去の経験や親など変えることのできない事を変えようと時間を無駄にすることなく、変えられることを変える勇気と識別がありますようにと祈りなさい」

③ 受身的な解釈をする

仕事や結婚生活での役割をやりたくてやっているのか、やりたくないけど仕方なくやっている(受け身)かで、ストレスの度合いが全く違いますのよね。

たとえ話で、お城の生垣を作っている人に、何をしているのですか?と聞いた時、ある人は「生垣を作っている」と。また別の人は「日本一のお城を作っている」と言いました。その生垣の仕上がりの違いは一目瞭然だったそうです。

④ 原因を外に見つけようとする

 私はよくヨーガのアーサナできついポーズをとる時、部屋が暑い、マットが悪い、とか何とか言って、原因を外側へ見つけようとするマインドの動きに気がつきます。一事が万事そうなのでしょうね…笑

できない理由を羅列して自分を守るための不平不満ばかり

病気、怪我などの人生で起こる辛い出来事に対して、成長する機会を与えられている、何かに気がつくために起こっているのだ、全ては起こるべくして起こっているのだと受け取ることができる人と、自分ばかりがこんな目に遭うのは不運だと思うのとでは、ストレスの質が全く変わってきます。

主観的で独りよがりの見方が整い、客観的で思いやりにあふれた考えへと成熟するチャンスは大抵の場合は社会的な役割を通して得られるものです。

人間は自己成長をしてると認識した時に得られる充足感が一番大きく、前進しているという感覚こそが最大の喜びだそうです。

ヨーガでは「成功」の意味は、何を得たか何を成し遂げたかではなく、どれくらい成長できたかにあると言います。